知識は豊富だが下手だったT君

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今回の記事はエギングの話ではありませんが、最後にエギングと結びつけます(笑)。高校3年の頃のエピソードです。私、とある楽器を弾きます。プロ並みとまではいきませんが、そこそこ弾きます。

 

高校時代、私と、バンド仲間は連れだってバンド活動に熱中していました。音響機器のあるスタジオ(有料)に頻繁に入っては大きな音で演奏してました。私は学内で目立とうとか、そういう考えは一切無く、単にその楽器がカッコよくて面白くてのめり込んでいたのですが(俺って●●が弾けるんだなど言ったことが無かったです)、そんな私の熱中している様子(高校の学園祭でも演奏しました)を周囲が見ていたのでしょう。

 

ある日、小学校からの同級のT君が、「俺も●●が弾けるんだ。オルタネイトピッキングは大丈夫だけど、スラップはなかなか難しいね。今度、一緒に演奏しよう」みたいなことを言ってきました。

 

私は、そのT君の申し出を冷ややかに聞いていました。「T君、●●が弾けるって言ってるけど、中学時代、●●の練習をしていた形跡も全くないし、高校に入ってから始めたんだろう。だけど本当に弾けるのか?怪しいな」と思いました。バンドで使う楽器はドラムやベースやギターなど色々ありますが、いずれの楽器も、そう簡単に「弾けるんだ」と言えるほど、ちょっと練習してパッと弾けるようになるものではありません。

 

私も高校時代、寝る間を惜しんで、その楽器を練習して、苦労して技術を身に付けていたので、そのT君の、「●●が弾けるんだ」という一言に少しムッとしたのは事実です。

 

「じゃあ、今度T君もスタジオに来て。来週の土曜日ね」と強引にスタジオに入ることを決定したところ、「えっ?いきなりスタジオ入るの?」などT君が慌てて聞いてきました。「●●弾けるんでしょ。●●弾けるなら、ちょうど今、自分ら●●がいないので合わせて弾いてよ」と伝えると、「う・・・・うん、わかった。今度の土曜ね」と返事をしました。

 

そしスタジオ入りの日。予定時刻にT君が来ました。私は少し早くスタジオに入って、チューニングを終えて、アンプのセッティングも終えていました。私の友人もドラムのセットを終えて、あとはT君の素晴らしい演奏を待つばかりでした。

 

「なんだか緊張するな~」など気の抜けたことをT君が言い出したので、「(やっぱり口だけか)」と思いつつ、「T君、得意なフレーズ、何か弾いてみてよ」とリクエストしました。

 

「えっ!?得意なフレーズ?そんなの無いんだけど・・・」と言いました。

 

すでに私とドラムの子は呆れていたというか、「T君、やっぱり口だけか」と思っていたのですが、せっかくT君がわざわざ来てくれたので、しょうがなくT君の弾く、心もとない、何かの曲のワンフレーズらしきベース音に合わせて我慢してセッションを1時間しました。言葉は悪いですが苦行でした(笑)。それ以来、T君は学内で一度も、「俺って●●弾けるんだ」と言わなくなりました。

 

T君が言った、「●●弾けるんだ」というのは、「下手なんだけど、ベースの弦をピックでピッキングして、アンプからベースの低音が出るよ(最初から最後まで弾ける曲は1曲も無いけど)」ということだったようです(笑)。私やドラムの子が想定していたのは、「プロレベルとまではいかなくとも、アマチュアレベルで上手いベース演奏(リクエストに対して、即興で最低限、合わせたり弾いたりできる)」でした。その程度のレベルに達しないと、「●●が弾ける」という言葉を軽々と発したらいけないと私は思っていましたが、T君はそんな考えは無かったようです。

 

エギングも同じです(ここで、やっとエギングと繋がります)。いくら専門用語ばかり豊富になっても腕が伴わないと、誰も認めてくれないものです。それとネット上で見聞きする、「何たら感度」とかの用語が、私はよく分かりませんが、そんな用語を覚える気は一切ありません。

 

そんな小難しい用語を意識しながらロッドをしゃくることは無いです。イカが釣れるようにとロッドとともに自身の腕を磨くだけです。T君みたいに、「俺ってエギングできるんだ」と発言して、皆さんを呆れさせないように頑張ります。