80本のエギングロッドを買い漁った末に行き着いたビーストスナイパーボロン806

エギングロッドのインプレッション
この記事は約5分で読めます。

時はさかのぼり。2021年1月4日の早朝。私は10年くらいぶりにエギングできるということでワクワクしていた。大分の佐伯(さえき)にある某波止まで来ていた。10年のブランクを取り戻すかのように夢中でロッドをしゃくっていた。

 

それから4年以上の月日が経過しました。4年の間に購入したエギングロッドの数は約80本。ロッドを買っては売り、買っては売りを延々と繰り返しました。いつまで、この買い物を続けるのか自分でも分からなかったです。とは言え、「自分が納得いくエギングロッドが見つかればロッド買い漁りはきっと終わるはず」という感覚はありました。

 

有名どころのエギングロッドは大体、試したと思います。世間の評判ほど良くないな~と感じたロッドは数えきれません。「妥協は絶対にしない。メーカーと繋がりは無いし遠慮する必要は一切ない」と思っていたので、7万円で中古購入した世間で評判の良いハイエンドロッドでも全く気に入らずに、すぐに売ったりしました。

 

昨年秋、アレスのビーストスナイパーボロン806を購入しました。当時、夢墨ボロン806MLを使用していましたが、「もう少しパワーが欲しい」と思案した結果、夢墨ボロン806Mを買おうかと考えていました。しかし、それまでに「夢墨ボロンシリーズ」を何度も買っていたのもあり、少々飽きが来ていたのでしょう(贅沢な飽きです)。

 

夢墨ボロン806Mに近そうな感じのパワーのあるロッド、アレスで他に無いかな~と探したところ、ビーストスナイパーボロン806に行き当たりました。前々からビーストスナイパーの存在は知っていましたが、パワー系ロッドのような雰囲気だったので、あまり明確な根拠は無く、それまで購入を避けていたというのはあります。

 

「パワー系ロッドだと、しゃくりが疲れるだろうか。自分に扱えるだろうか」とか、そのような心配をしていました。

 

でも気になるのでビーストスナイパーボロン806を思い切って購入しました。いつものように、「気に入らなければ、すぐにヤフオクに出そう」と軽く考えてました。「アレスだから間違いなく良いロッドだろう」とか、そのような意識は全く無いです。「気に入らなければすぐに売る」が私のポリシーです。そんな感じで80本近くのロッドを売ってきました。

 

ところがどっこい。ビーストスナイパー806を何度か海で使ってみると・・・

正直、夢墨ボロン806MLよりも重さや硬さはちょい感じる。でも重くないし、さほど疲れない(これが非常に大事)。しゃくりやすい。806の長さのエギングロッドに感じない(短く感じる)。「なかなかいい。完成度がかなり高い(今まででナンバーワン)。このロッド、夢墨ボロンやGVXより上だ。実はアレスの最高峰はこれじゃない?」と冗談抜きで思いました(今でも思ってます)。あくまでも個人の感想です。

ロッドの完成度。高額なハイエンドロッドや、自重が軽いロッドが必ずしも完成度が高いわけではありません。完成度は言い換えれば、「ロッドの調和」みたいなものです。隅から隅まで調和しているロッドはエギングで使ってて違和感が無く、嫌な感じがしないので、すぐに分かります。

衝撃を受けるという感じではなく、「なんか面白いロッドだな。使ってて楽しいな。不思議だなという印象でした。個人的にビーストスナイパー806に尖った印象はまったく無いです。一見、コワモテな印象だけど、実はすごく優しくて、とっつきやすくて力持ちみたいな感じのロッドです。そのように感じたロッドは80本のエギングロッドの中で、ビーストスナイパー806だけです。それからというものエギングロッドの買い漁りは自然治癒しました。

 

私にとってのビーストスナイパー806は頼もしい相棒であり、どんなシチュエーションでもエギングを楽しめるロッドです。強風時の向かい風でもエギがそこそこ飛びます。横風が吹こうとも負けずに普通にしゃくれます。深場で4号でもしゃくれます(エギがしっかり動きます)。シャローでも自在に扱えます。4号エギでも何の心配もなく、フルスイングでぶっ飛ばせます。

 

昨年から、「このロッドなら2キロでも3キロでも獲れる!」と思ってたら、今年5月に本当に獲れました。皆さんからすれば、時代遅れで125gもある、ただの重量級エギングロッドかもしれませんが(笑)、3キロを楽々獲れれば文句の付けようがないでしょう。

 

そして最後に大事なことを1つ言いたいです。詳細はどうしても言えませんが、ビーストスナイパー806は大きなイカをヒットさせるポテンシャルが備わるロッドです。ここは大事です。※大きなイカを狙ってない方には関係の無い話です。

 

最近、流行りの軽量ハイエンドロッドにも相応に良い点はありますが、あえて言います。最近流行りの軽量ハイエンドエギングロッドには、ビーストスナイパー806に備わる、「大きなイカをヒットさせることができるポテンシャル」は無いです。誤解しないでいただきたいのは、軽量ハイエンドロッドでは大きなイカは絶対に釣れないと言ってるのではありません。

 

ビーストスナイパー806で可能な「大きなイカ」の釣り方が、軽量ハイエンドロッドだと、難しい可能性があります。こればっかりはしょうがないです。軽量なロッドだからこそ、一般エギンガーに受けやすい色々な利点がありつつ、反面、犠牲にしているものも多くあります(メーカーはそれを完全に伏せてます。または本当に知らないかのどちらかです)。

あくまでもビーストスナイパー806のようなロッドに備わっている、「大きなイカをヒットさせることができるポテンシャル」が軽量なハイエンドロッドには無いというだけです。なお、大きなイカをヒットさせるポテンシャルが備わるロッドは、ビーストスナイパー806以外にも存在しますが、最近では「少ない」ように思います。細かいことを言えば、大きなイカの釣り方(エギングでの狙い方)も色々あるのですが、その点は今回は触れません。