昨年の6月くらいだったと思います。エギング人生で初めて、「エギング、簡単だな。面白くない」と感じました。当時、私の身には、とある異変が起きてました(私の仲間には話しました)。おかしな現象でした。私の仲間は「それはゾーンに入ったんでしょう」と教えてくれました。
エギをキャストする。すると、私のロッド、リール、ライン、エギが着水したあたりの海しか視界に入らなくなる感じがありました。その他のものは一切見えない感じ。そして音声も何と言うか、余計な音は一切聴こえないように遮断されたような感じです。
イカのアタリが不思議とスローモーションで見える(感じる)ような状態になってました。その当時はイカのアタリが分かりすぎました。イカのアタリがスローに見えるので(ラインへのアタリ)、見逃すはずはありません。スローなので合わせるタイミングも完璧です。合わせれば当然釣れます。イカのアタリって、こんなに分かりやすいものだったかな?と怪訝に思いました。
昨年は特に仕事そっちのけでエギングに打ち込んでいた時でした。そんな最中、私が短期間でも覚醒したのかもしれません。そのいわゆるゾーン状態は、ほどなくして消失しました。それ以降、ゾーン状態に入ったことは1度もありません。あれは不思議な経験でした。
昨年6月の異変以降、ゾーンには入らなくても、何と言うか、「エギング簡単だな」と感じることが増えました。さほど労せずアタリも分かって、そこそこ釣れる。10年ぶりにエギングを再開した初期のような、「その日、苦労して、どうにか1杯釣る」ことが減ってました。
上達したということなのでしょうが、あれだけイカが釣れない!と悔しい思いをしてた自身が、「エギング(労なく釣れるので)つまらない」と感じ出すとは何とも居心地が悪く感じたものです。「もっと苦労したいんだけど(苦労しないと自身のためにならない)」という気持ちが大きくなってきました。
そんな最中、師匠と知り合ったことで、「俺はまだ何も分かっていなかった。井の中の蛙だった」と自省しました。良きタイミングでした。そして今、師匠の教えを胸に、日々エギング修練に勤しんでいます。私は恵まれていると思います。
何が言いたいか?と言いますと、「努力次第で、どなたでもエギングは上手くなる」ということです。「見えすぎちゃって困るの~」というCMが昔ありましたが(お若い人は知らないでしょう)、「釣れすぎちゃって困るの~」みたいな状態に皆さんもなれる!絶対になれます。
私なりのエギング修練法(上達法)を実行すれば短期間で、そこそこ上達されるでしょう。ユーチューブ動画にて、多くのエギングノウハウらしきものが公開されてますが、あんなのは、まずは完全に無視したほうがいいです。
釣れるエギだとか、日中はこのカラーがいい、夜間はこのカラーがいい、釣れるシャクリだとか、ラインメンディングがどうだとか、PEラインはこれがいいとか、ロッドはこれがいいとか、軽量ロッドは感度がいいだ、そんな情報ばかりです。初心者にそんな情報はいっさい必要無しです。要らないことです。
イカ釣りを分かってない段階で要らないことをあれこれ考えなくていいです。皆さん、エギングの知識ばかりどんどん増えて、海のこと、何もわかっちゃいないですね?と感じます。「知識」でエギングはできませんよ。知識じゃなく、「経験」が大事です。知識膨大なエギング博士になりたいわけではないでしょう。
まずは経験。ラインを見てアタリを取りたいなら、ひたすらラインを見ること。視力が低い方はメガネかコンタクトは必須です。日中なら偏光グラスが必須です。ラインの挙動を目に焼き付けること。イカのアタリがあった時のラインの動きと、アタリが無い時のラインの動きの違いを知ること(経験すること)。
しゃくりがど~のとか、エギがど~の、フォールがど~のよりも、まずは海を見て、地形を見て、海中を見て、どこを狙うか?そのポイントにイカは着くか?水深はどのくらいかとか、根がかりする、しないの境目を、その場所で把握するほうがいいでしょう。海を見て、どこを狙うか、どこにエギを投げるか。それをまず掴んで欲しいです。答えは1つではありません。
そして潮を読む。釣れそうな潮、釣れにくい潮、潮が動くタイミングの選定を教えます。晴天の日中でも釣れるタイミングはあります。マズメ、夜間の釣行よりは、初心者の方は最初に日中でのエギングを学んでほしいです。日中、イカはどこにいるか?を知れば日中でも普通に釣れます。日中とマズメや夜ではイカのいる場所が少し違います。
エギのロストを恐れて、あまりエギを沈めないなどはよくありません。時には思い切って、根がかり覚悟で狙わないと釣れないこともあります。
まずはテクニック、タックルよりも、「海の状況」を的確に読めるようになっていただきたい。海が分かれば、どうエギングするべきかも自ずと出てきます。私はそれをまず教えたい。身に付けてもらいたい。